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● パリより愛をこめて(原題:From Paris With Love)
   監 督 :ピエール・モレル
   出 演 :ジョン・トラボルタ、ジョナサン・リース・マイヤーズ、カシア・スムトゥアク
   ジャンル:アクション(サスペンス)
   2010年  フランス





注)以下、ネタバレだらけです!

【あらすじ】

 ジェームス・リース(ジョナサン・リース・マイヤーズ)は、パリのアメリカ大使館で秘書をしているがまだ地味な仕事しかやらせてもらえない CIAのエージェントでもあります。
 派手な本物のエージェントになりたがっていた彼に、麻薬捜査のためにやって来るワックス(ジョン・トラボルタ)と組むように指令が来ます。
 空港の関税ですでに一悶着おこしていたワックスをリースはどうにか救い出しますが、そのまま向かった中華レストランで激しい銃撃戦を起こして、後をつけるために一人だけ生かして逃がす等、腕は立つもののリースにとっては型破りの捜査官だったのです。

 リースはワックスを、リースのフィアンセ・キャロリン(カシア・スムトゥアク)と彼女の友人ニコールと自宅で夕食に招待しますが、ワックスは突然ニコールを射殺しキャロリンにも銃を向けます。
 そして、キャロリンからプレゼントされた指輪が発信機つきである事、部屋に盗聴器が仕掛けられていること、CIAに問い合わせた結果キャロリンもニコールもテロリストの仲間である事を告げるのです。
 動揺するリースの隙をついて、キャロリンは隠していた拳銃でリースの肩を撃ち逃げてしまうのでした。

 ワックスとリースはテロの目標を推測しますが、丁度当日にアフリカ支援サミットに参加するアメリカからの代表団が到着、ワックスは代表団の車列に向かう不審車を追いますがリースはキャロリンの目標がサミットの会場への潜入である事を見抜きます。
 会場へ駆け付けたリースは自爆用ベストを着込んだキャロリンを説得しますが、彼女の手がスイッチへ動くのを見て、彼女の頭を撃ち抜いたのでした。


【感想】
 ジョン・トラボルタって、ダンスのうまいにーちゃんだと思っていたら、いつの間にか強面のおっさんになってました。
 ま、あれからずいぶん時間が流れてますものね 〜 。



リースとワックス。
空港の専用機まで見送りに来たリースはデカイ拳銃を置き
ワックスとチェスをはじめるのです。


 ワックスが超凄腕捜査官です。
 常に敵の行動の一歩先を読んで行動します。
 おまけにチャイニーズマフィアの一団を素手であっという間に片付けるほど腕が立ちます。
 敵だと思ったら容赦なく射殺します。(リースは「1時間毎に人を殺す!」とため息をつくくらいです。)
 映画とは言えあまりに強すぎて笑っちゃうくらい強いです。
 もしもこんなのが敵に回ったらできるだけ早く白旗をあげなくっちゃね。
 ワックスがテロリストの車を追跡してロケットランチャー(?)で吹き飛ばす時、ハンドルを握ってたCIAのおじさんもいい仕事をしてますね。

 リースはフィアンセがテロリストだった事の衝撃から立ち直ったのでしょうか。
 キャロリンはリースに説得された時、一旦自爆用スイッチから手を離しますが再び手を近づけて射殺されます。
 これは彼女がリースに撃たれる事を選んだのでしょうか。

 この映画では、私はテロリストを一方的に悪く描いていないように思います。(むしろ、アメリカ代表団の代表の方が我儘で感じ悪い!)
 乱射事件の起こる前なのでしょうか、それにしてもフランスのイデオロギーの深さを感じますね。

 
 
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